連載 都営バスのヘッドマーク
写真: 後編 ヘッドマークの歩み

都営バスのシンボルといえば、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか。じつは車体のフロント中央には、都営バスを象徴する"あるマーク"があしらわれています。全車両共通のシンボルとしてのマークと、選ばれた路線のために作られた6種類の「ヘッドマーク」。都営バスの"顔"をめぐる、デザインの豆知識をご紹介します。

後編ヘッドマークの歩み

都市新バスシステムの車体写真
都市新バスシステムが導入された都01〜08系統の各車両より。
都01「グリーンシャトル」渋谷駅前−六本木駅−新橋駅前(1984年〜 写真左)
都02「グリーンライナー」大塚駅前−錦糸町駅前(1986年〜 写真中)
都03「グリーンアローズ」晴海埠頭−新宿駅西口(1988〜 ※2000年に晴海埠頭−四谷駅前へ短縮)
都04「グリーンアローズ」豊海水産埠頭−東京駅丸の内南口(1988年〜 写真右)
都05「グリーンアローズ」晴海埠頭−東京駅丸の内南口(1988年〜)
都06「グリーンエコー」渋谷駅前−天現寺橋−新橋駅前(1990年〜)
都07「グリーンスター」錦糸町駅前−門前仲町(1992年〜)
都08「グリーンリバー」日暮里駅前−錦糸町駅前(1994年〜)

 選ばれた路線のためにデザインされた、6種類のユニークなヘッドマーク。これらはどのようにして誕生したのでしょうか。
 1980年代の東京都心では自動車交通量の増加とともに、バスの走行環境の悪化が問題になっていました。そこで運輸省(現・国土交通省)は、省エネルギー・低公害型の効率的な交通体系を確立するために新しいバスシステムの整備を決定。これを受けて都営バスでは、都心や繁華街などを結び、再開発などで将来の発展性が高いエリアを走るなどの条件を検討し、1984(昭和59)年に渋谷駅前−六本木駅−新橋駅前を結ぶ都01系統を発足させました。そして、この新しい役割を担うバスにふさわしい愛称として、約4000件の応募の中から「グリーンシャトル」が選ばれ、そのイメージを天に羽ばたくペガサスで表現したヘッドマークがデザインされたのです。
 これに続くかたちで、都02系統「グリーンライナー」(大塚駅前−錦糸町駅前)、都03・04・05系統「グリーンアローズ」など、新たな路線が導入されていきました。

バス前面の名称の表示板
バスの前面に掲げられた、都市新バスシステム導入路線の愛称の表示板(通称:行灯)。愛称をいずれも個性的なロゴタイプで表現した。
都01「グリーンシャトル」
都02「グリーンライナー」(※写真なし)
都03〜05「グリーンアローズ」
都06「グリーンエコー」
都07「グリーンスター」
都08「グリーンリバー」

 こうしてスタートした都市新バスシステムですが、その目的はバスの機能向上とともに運行本数を増やし、便利で快適、かつ質の高いサービスを実現することにありました。冷暖房や展望のよい大型窓、セパレート型の2人掛シート、次の停留所名を案内する次停留所名 表示装置などを備えた新型車両の導入もそのひとつ。と同時に、停留所の上屋(日よけ)やシェルター、バス接近表示装置、コンピューター制御された運行管理システム、定時運行とスピードアップを図るためのバス専用レーンの設置など、さまざまな取り組みが行われています。
 こうした努力の成果が利用者数の増加となって現れる中、1994(平成6)年には都営バス開業70周年を記念して、都08系統「グリーンリバー」(日暮里駅前−錦糸町駅前)の運行がスタート。「グリーン」から始まる愛称とヘッドマークをフロントに掲げ、計8路線となった都市新バス路線。その一部の車両にいまもなお現役で輝くヘッドマークは、お客様からの愛着とともに、よりよいサービスを届けたいという切なる想いの象徴でもあるのです。

下敷き
ノベルティとして制作された下敷き。この後2路線が新たに発足して、都市新バスシステムの導入路線は計8路線に。(東京都交通局蔵)
  • 文/深沢慶太
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